知恵蔵日記( ..)φ

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声にならない声を、全部集めて、呪いのエネルギーに変換する。

hiroponkun.hatenablog.com

 

わたしの祖母は朝鮮生まれだった。朝鮮総督府の役人の娘だったからだ。わたしは成長し、いろんなことを知るにつけ、この祖母が許せなくなっていった。

祖母は天皇が好きだった。天皇の写真集を見て喜んでいた。結婚話、恋愛ばなしが好きだった。デパートで買い物をするのが好きで、めかして歩くのが好きだった。神社に参拝したかと思うと、寺(浄土真宗本願寺)にも高額の布施を包んだ。仏教のことを学ぶ気もなく、僧侶を読んでも自分はお経のことを知る気もなかった。父をマザコン男に仕立て上げ、その一生を自分に捧げさせた。配偶者である祖父は、国鉄機関士で、退職後に関連企業の社長になり、その金で暮らした。金はテレビを見ることと、旅行に使った。人のことは、その勤め先や、学歴で判断した。

 動けなくなってからは、家に来る創価学会員の言うなりになり、公明党に投票した。

 

 わたしは、育った家庭があまりにもひどかったので、そこでエネルギーを使いすぎた。祖母の権力、父の暴力、母の束縛に、たった一人で対抗せねばならなかった。運動で出会った友人たちは、運動の家系に育っている場合がほとんどで、わたしのようなタイプはほとんどいなかった。いても、つぶされていた。

 

 

 わたしは、最初からなにもなかった。すべて奪われていたから。ぜんぶつぶされていたから。祖母みたいにならないように勉強しないといけなかったし、母の期待に応えないように、教員にならず、しかも結婚しない道を選ぶしかなかった。父の暴力から身を守るために、経済的に独立しなければならなかった。

 そんな人間に、一体、何が残されているだろう。なんでもかんでもありそうなこんな日本は、そのなんでもかんでもは、暴力でできているんだから。それを受け取らずに生きて行くこと。まともな道を自分で探すこと。

 そんなわたしは、誰も知らない場所で、呪い続ける。人前に出ることはない。呪い、というのはそういうものだから。声にならない声を、全部集めて、呪いのエネルギーに変換する。

 わたしの人生は、もう、そのためにしかない、と言っていい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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