わたしはわたしの道を行くのがいちばんの幸せだと、知ってしまったから。
どんどん自分に忠実になってくると、いままでどれだけ我慢していたかがわかる。
あの人も、この人も、別に好きではなかった。
あれも、これも、別に必要なわけではなかった。
笑いたかったわけでも、仲良くしたかったわけでもなかった。
特に欲しかったわけでもなく、食べたいわけでもなかった。
そう、そうだったんだ。
ただ、ひとりになるのが、怖かっただけ。
でも、もう、怖くない。
だって、わたしは地球にたくさんのなかまがいるし、そのなかまを守るためにがんばっているなかまがたくさんいるから。その人が、隣の席に座っていないだけで。
ひとりじゃなかった。
よれよれになるまで同じ服でも、
ずっと同じ髪型でも、
忘年会にも、パーティにもカフェにも行かなくても、
最近の話題を知らなくても、
困らないばかりか、むしろ幸せだと、
わたしは分かってしまったから。
あの人ともう、会えなくても、
でも、もう、わたしはわたしの道を行くのが
いちばんの幸せだと、知ってしまったから。