知恵蔵日記( ..)φ

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みんなただの「人」になる。そして、他の生き物の苦しみが見え、人間の驕りが見えたところで、わたしたちは真の連帯を得るだろう。

末に生まれし君なれば

親の情けはまさりしも

親は刃をにぎらせて

人を殺せとおしえしや

 

与謝野晶子の戦争反対の詩「君死にたもうことなかれ」である。なぜか、この詩がエンドレスで頭のなかを離れない。この詩人は官能の詩人、女性解放の詩人であると同時に、暴力に強く反対し、戦争反対の詩を書いた。この詩を発表したあとは、家に石を投げられるなど、いろいろな目に遭ったということだ。いつの時代も、暴力に反対し、権力にものを言い、弱い立場の命を守る、という行いは命がけなのである。

この詩では、天皇を批判している。「自分が戦争に行くわけではないので、人に戦争をさせるのはおかしい」ということを書いている。いまで言うならアベ批判である。いまでこそ、みんながネットリテラシーを持っており、デモもあれだけの人数が集まるが、戦時下の明治ではほんとうに命がけだったであろう。しかも、当時の女性は今よりももっと地位が低い。女はだまってろ、という風潮であったはずだ。しかし、与謝野は黙らない。

 また、この詩で与謝野は親も批判している。ここも勇気がいる。「あんなに弟をかわいがっておきながら、人を殺すことを教えるなんておかしい」と書いている。ここもすごいところだと思う。天皇よりも言いにくいことかもしれない。

 

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 11月1日がヴィーガンデーということで、関西はヴィーガンフェスの花盛りである。与謝野は大阪、堺の商家に生まれており、自由な空気で育ったんだろうと思う。わたしの好きな、桂米朝桂枝雀の落語に出てくるような華やかな大店の娘さんだったんだろう。そして、上方落語には大店の主がよく登場する。そして、儲けるだけでなく、それを社会に還元する行いをいろんな形で行っている。自分だけのことを考えているような主には、ちゃんとそれ相応の制裁がある。それが落語のすごいところだ。そういう、人々の心意気が、今もきっとあるんだろうと思う。関西は元気だ。

 しかし、ぼろ儲けして、人々をこき使うだけのブラック企業もある。独裁政治家もいる。そういう存在は、淘汰されれるべきである。関西のよさは、民度の高さである。質の高い文化や芸能である。与謝野のような、反骨の精神である。

 

 ヴィーガンというのは「還元」の行為である。それが分かればヴィーガンを分かっている、ということだろうと思う。また、人の世界の差別、戦争、暴力をなくしたいと願う実践的願いである。人間にとって必要なのは「人類愛」ではない。他の生き物に対する慈しみのこころである。その精神でつながることができれば、わたしたちはあっさりなにもかも超える。同性愛・異性愛、邦人・外国人、「健常」者・しょうがい者、などの線引きがなくなり、みんなただの「人」になる。そして、他の生き物の苦しみが見え、人間の驕りが見えたところで、わたしたちは真の連帯を得るだろう。

 

 

 

 

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